読み返したい!『心の社会』

『心の社会』マーヴィン・ミンスキー 著/安西祐一郎 訳/産業図書/1990年/4300円+税(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

AIの父といわれる元MIT(マサチューセッツ工科大学)教授、ミンスキーの名著が『心の社会』。AIに関わる人にとっての必読書だが、とてつもなく難解である。書いてあることが難しいというよりも、今まで想定したこともない視点に慣れるのに苦労するのだ。

評者が本書を知ったのは、社会人になりたての頃だったが、じっくり読むことになったのは、それから約10年後にMITの大学院でミンスキーの授業を受けたときだ。すでにAIについて少なからず実践を積んでいた評者にとっても、本書は難解で、授業についていくのに必死であった。

適当に理解したつもりになるだけなら、ページの進みは速いだろう。しかし、深く理解しようと思うと、様相は一変して、実は自分が何も理解していないことに気づくのである。もがきながらも、何とか理解が進むと、天才ミンスキーの心の窓をのぞいた気分になる。  

現在、官民双方の組織でAIに関するアドバイザーを務める評者であるが、いま一度初心に戻って本書を読み返してみたい。おそらく、読むたびごとに、新鮮な視点にうならされることになると思う。