マーケティングを「広告宣伝」と狭く捉える誤解が広まっている。伝統的な分析手法である「マーケティングの4P」が今日の実務では使いづらくなったことがその背景にある。最終工程の広告宣伝の段階では、すでにビジネスの勝負は決していることも多いので、この誤解は致命的だ。

マーケティングが本来持っている広がりを確認するため、全米マーケティング協会による定義を見てみよう。「マーケティングとは、顧客、クライアント、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を、創造し、伝え、届け、交換するための、活動、一連の組織、プロセスである」。

ポイントは3つある。まずマーケティングは商売だけに使うものではない、ということ。寄付や宗教の信徒獲得のためのマーケティングもある。また、専門の組織を必ずしも前提としない。たとえ内部にマーケティング部がなくても、その過程や活動は組織の中に組み込めるし、組み込まなくてはならない。