上海の地下道での広告。TikTokは中国発祥の動画共有アプリだ(Imaginechina/アフロ)

いつの間にか日本中の若者を虜(とりこ)にしている動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」が、米中対立の新たな火種になっている。

TikTokは音楽に合わせた口パクやダンスなどの15秒の短い動画をユーザーが投稿・視聴し合うアプリだ。「1人当たり1日平均約160本の動画を見てもらっている」(日本法人の井藤理人氏)。時間に換算すると1日40分となる。一度始めるとやめられない中毒性で若者を魅了。2017年秋のサービス開始からわずか1年半余りで、日本国内での直近のMAU(月間アクティブユーザー)は950万人に達している。

テレビCMなどの積極的な広告で露出も増えているが、高い認知度とは裏腹に中国の新興テック企業「Byte Dance(バイトダンス)」(中国語では「北京字節跳動科技」)によって運営されていることは、日本のユーザーにあまり知られていない。

同社を創業した張一鳴(36)は中国では著名な連続起業家だ。不動産検索サイト「九九房」などを立ち上げた後、12年にバイトダンスを創業し、ニュースアプリの「今日頭条(ジンリィトウティャオ)(Toutiao)」や動画アプリの「西瓜視頻(シーグァシーピン)(Buzz Video)」、中国では「抖音(ドウイン)」と呼ばれるTikTokなどの大ヒットアプリを次々に生み出してきた。

どのサービスにも共通するのはAI(人工知能)を活用し、閲覧履歴や個人情報からユーザーの嗜好を分析し、一人ひとりに最適化したコンテンツや広告を提供していることだ。TikTokには誰でも簡単に動画を編集できる技術を搭載。「9割のユーザーが投稿やシェアなど何らかのアクションを行っている」(井藤氏)。