にしかわ・とおる●1982年生まれ。東京大学大学院在学中に、友人らとPFNの前身となるスタートアップを起業。深層学習の研究開発と実用化を進める。(撮影:今井康一)

AI(人工知能)強国を目指して邁進する中国が、世界のスタンダードを握る日は来るのか。トヨタ自動車などが出資する日本最大のユニコーン(未上場で評価額が10億ドルを超える新興企業)で、国内AI産業を牽引するプリファード・ネットワークス(PFN)の西川徹社長に聞いた。

──AIに関する論文数で、中国は米国を抜いて世界トップになりました。

単純に人口が多いから急に論文が増えたというわけではない。十数年前、私が学生時代にプログラミングの世界大会に出ていた頃から、中国人学生のレベルは非常に高いと感じていた。

当時、強豪だった上海交通大学には何百ものチームがあり、その中で熾烈な争いに勝ち残った数チームだけが選抜されて出場した。東京大学の学生はせいぜい数十チームだ。国際大会でよい成績を収めれば一生安定した生活が保障されるため、中国の学生は1日10時間以上、必死に勉強した。

日本もトップレベルの人材は優秀さで負けていないが、層が薄い。国を挙げて教育に投資してきた中国では成果が積み上がり、産業全体のIT能力が底上げされている。

──論文の質をどう評価しますか。