自筆証書遺言は法務局に預けておくと相続手続きがスムーズになる

約40年ぶりに相続に関する民法が大きく改正され、順次施行されている。主な変更点と対策に向けた知識を身に付けておこう。

相続に関する民法の規定(相続法)は1980年以降、大きな見直しが行われてこなかった。だが高齢化による多死社会を迎えつつある現状に鑑みて、昨年大幅に改正され、今年1月から順次施行されている。

主な変更点は8つあり、5つが7月に施行される。その1つが「特別の寄与」の創設だ。これは義父母などを介護した人に対して、遺産分配時に金銭的に報いるようにするもの。これまで長男の妻などが夫の父母の介護に尽くしても、妻は相続人でないために遺産の分配を受けられなかった。今後は介護への貢献度に応じて相続人に金銭を請求できるようになる。

また故人(被相続人)の預貯金を、一定額の範囲ですぐに引き出せるようにする。これまでは口座名義人の死亡を金融機関が把握すると、その口座の資金は相続人の共同財産となり、遺産分割協議が終わらないと相続人単独で資金を引き出せなかった。そのため、生活費や葬儀費用の支払いなどで相続人が困るという問題があった。

それが遺産分割協議の終わる前に、「口座ごとの預貯金額×3分の1×法定相続分(子2人が相続人の場合は2分の1)」まで引き出せるようになり、家庭裁判所の判断を経る必要がない。ただし、1つの金融機関から引き出せるのは、150万円までなので気をつけよう。

ほかにも、「最低限の取り分に満たない部分は金銭で解決できる」「配偶者に贈与された自宅は遺産分割の対象外になる」といった制度が7月から始まる。