会見はJDIだけで、資本業務提携先の台中連合3社の姿はなかった。月﨑社長は「月内にも4社そろった発表の場を設ける」と発言したが…(撮影:梅谷秀司)

「雨降って地固まる、ではないが、ギリギリの交渉をしたからこそ、逆にお互いの信頼関係は高まった」

経営危機の淵にあった中小型液晶パネル大手のジャパンディスプレイ(JDI)。台湾・中国の企業連合からの最大800億円の資金注入で合意したことを受け、4月12日に会見を開いた。

財務担当の菊岡稔執行役員が会見で冒頭のように述べると、月﨑義幸社長が「いいことを言った」と強調する場面もあった。しかし、難局を完全に乗り切ったとはいえない状況だ。

JDIは、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)の支援で、ソニー、日立、東芝の中小型液晶事業を統合して2012年に発足。だが、スマートフォンのパネルが液晶から有機ELへ移行したことや、主要顧客であるアップルのiPhoneの販売不振などから業績が悪化。リストラもあり過去4期連続で最終赤字だ。

今期も赤字の見通しで資金繰りが悪化する中、複数社からの出資受け入れに向け交渉を進めてきた。ところが、メドとしていた3月末を迎えても出資先は発表されず、4月に入って公表した合意時期のメドを2度延期した。出資の合意を条件に、3月末のJDIからの支払い延期を受け入れた取引先もあった。発表が遅れたため、部品会社から「破綻シナリオも考えている」と言われるほど一時は事態が緊迫した。