中国が国際的なスタンダードづくりでの存在感を高めている。工業製品の標準化の必要性は、鍋とかまどの関係に例えられることがある。どちらのサイズも多様でありえるものの、あまりにバラバラでは実用上困る。だからある段階で標準的規格が定められる、という筋だ。

業界団体や作り手の協議を通じて定められていく規格をデジュールスタンダードという。その対極に、事実先行で規格が定まっていくデファクトスタンダードがある。いずれの場合にも、仮に特定のサイズの鍋を作れる人が限られているとすれば、それは寡占的な市場の形成を意味する。

中国発のスタンダードを議論するうえでも、この2つのアプローチを念頭に置く必要がある。

前者の協議を通じた標準化を進めるためには、国際的な標準化団体での会議への参加が必要だ。昨年の「通商白書2018」は中国経済の分析にかなりの紙幅を割いていた。その中で筆者にとって最も興味深かったのは、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)からの聞き取りを基にした国際幹事引受数の各国割合の推移を示した図だ。

それによれば、2005年時点で、これら会議のうちで中国が幹事となっていたのは全体の2.0%であったが、10年には5.7%、そして17年には12.5%へ増加した。同年の日本、フランス、英国の幹事引受数に肉薄している。