やまざき・はじめ●1958年生まれ。東京大学経済学部卒業。楽天証券経済研究所客員研究員。マイベンチマーク代表。資金運用や経済一般などの分野で活躍。(撮影:今井康一)

親の死に直面して以来、老後や相続の問題に強い関心を寄せているのが経済評論家の山崎元氏である。自身の体験も踏まえた、相続時の注意点を聞いた。

──相続については、制度の問題点を指摘されています。

高齢者も若い人も、お金の運用の仕方は変わらない。最も効率的に運用できるものを選べばいいだけのこと。違いがあるとすれば、運用する金額と取れるリスクの大きさだけだ。

ただ高齢期になると認知症になるリスクがあるし、いつ死ぬかもわからない。自分でお金の始末ができなくなったときにどうしたらいいのか。調べてみると、成年後見制度(判断能力が十分でない人の財産管理などを成年後見人が行う制度)、とくに法定後見制度には問題があることがわかった。

法定後見制度では家庭裁判所が後見人を選ぶが、親族ではなく弁護士、司法書士などの職業後見人がなるケースが少なくない。成年後見制度は本人の財産を減らさないことに特化しているので、職業後見人は、本人のためであっても資産を減らすのを嫌がる。

管理財産の額に応じて後見人の報酬が決まるから減らしたくないという事情もあるのだろう。職業後見人の報酬レベルは、最低レベルが月2万円。例えば1000万円あるとすると、年間24万円かかることになる。これはたちの悪いファンドに引っかかったのと同じではないか。