郊外型の店舗では、広い駐車場が満車になることも(撮影:尾形文繁)

「今のライバルはやっぱりスタバ。だから、この企画の取材を依頼されたときに、『とうとう来たか』と思った」──。コメダホールディングスの臼井興胤社長は、国内首位の店舗数を誇るスターバックスコーヒーへのライバル心を隠すことなく、こう語った。

毎年50~70店の新規出店を続け、国内828店舗(2019年2月末時点)と店舗数で3番手になった珈琲所コメダ珈琲店。主要立地は駅周辺や国道沿いなどの一等地ではなく、駅から少し離れた場所や住宅街。工場でコーヒーをドリップして各店舗に配送する仕組みを採用する。

コメダはライバルのスタバとは「正反対」の戦略で躍進を続ける。現在店舗数で2位のドトールコーヒーショップ(1111店、18年11月末時点)は近年店舗数をさほど増やせておらず、遠くない将来にスタバとコメダが店舗数で首位を争う時代が到来しようとしている。

オーナーに大きな裁量、マニュアルもなし

コメダの特徴の1つが、固定客の多さ。とくに開店から午前11時までの時間帯は、ドリンクにトーストとゆで卵が無料でつくため、このモーニングサービスを目当てに毎朝来店する客が多い。

3種類から選べるモーニングの1つ

「『いつもの』で通じるよう、常連客の顔は300人ぐらい覚えていた。経験の長い主婦の社員はもっと覚えていたはず」。名古屋や仙台で4年以上店長を務め、現在は営業本部に所属する佐々木裕平氏はこう振り返る。店舗には新聞や雑誌が置いてあり、店員は常連客にモーニングセットと一緒にいつもの朝刊や雑誌を席まで持っていく。ファストフードやセルフ式の喫茶店ではありえない接客だ。