2月に出店したロースタリー東京。巨大な焙煎機を設置(撮影:尾形文繁)

2月28日、午前8時。雨が降り注ぐ中、東京・中目黒の大通り沿いに200メートルほどの行列ができていた。行列の先にあるのは、スターバックス コーヒー ジャパン(スタバJ)が新たに出店した「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」だ。

オープンしたこの日、わざわざ愛知県から夜行バスで来た20代の男性は、朝6時半から並んでいたという。「優先入場の抽選に外れてしまったけど、どうしても入りたかったので」。

このように顧客が心待ちにしていたロースタリーは、スタバの旗艦店だ。米シアトル、伊ミラノ、中国・上海、米ニューヨークに続き、今回の店舗は世界で5番目。オープンから1カ月以上経った4月初旬時点でも、最長5時間待ちになるほどの混雑が続く。北海道から沖縄まで全国から客が集まるほか、全体の2~3割が訪日観光客だ。

隈研吾氏が設計したこの店舗では、コーヒーやパンのほか、アルコールも扱う。コーヒーを使ったカクテルが1杯2000円(税抜き)など、価格はおしなべて高い。ただ、この店舗の特徴はしゃれた内外装や品ぞろえだけではなく、工場機能を持つことにある。店舗内では、巨大な焙煎機でコーヒー豆が焙煎され、ドリンクになるまでの過程が見られるのだ。

日本のコーヒー市場では、焙煎前の生豆を輸入することが主流。焙煎した豆の輸入量は全体の1割程度にすぎないが、実はそのほとんどをスタバJによる輸入が占める。このように焙煎した豆を扱うことが中心のスタバJにとって、今回のロースタリーは国内で初の自社焙煎の拠点だ。