ブルネイといえば、同性愛行為への石打ちによる死刑が国際的な批判を浴びたが、その実情はあまり知られていない。その全盛期は16世紀ごろまでさかのぼる。ボルネオ島全島を支配していたようだが、19世紀後半には英国の保護下に入り、1984年にその支配から脱却した。実は新興国家なのだ。

国王は宗教上の権威を持ち、国政全般を掌握(現在も国王が首相、国防相、財務経済相および外相を兼任)している。国の体制としては、国王独裁ともいえる。一方で、石油・天然ガスによる収入があり、経済水準は高い。税金なども免除され、社会福祉も充実しているため、ある意味で「君主独裁型の高度社会主義国家」だと感じる。

それを示す例として、毎週金曜日の12時から14時は、祈りの時間に当てられている。国民の80%がイスラム教徒であり、この政策は厳格に守られている。官庁や学校はもちろん、公共交通機関、小型の商店・食堂まで例外なくすべてが閉鎖され、この時間帯、街には人っ子一人いなくなる。外国人旅行者には迷惑な話だが、ある種壮観な光景ですらある。