バイオベンチャーの潮目が変わりつつある。国内で注目を集める再生医療では、皮膚や心臓などに細胞組織を貼り付ける修復治療から、細胞を薬として投入する治療が台頭。ノーベル賞を受賞した本庶佑教授の研究を基とするオプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)をきっかけに火のついたがん免疫療法や、遺伝子治療など、新しいうねりが着実に起きつつある。

サンバイオ|独自の再生細胞薬治験継続を宣言

「慢性期脳梗塞薬の開発を継続する」。3月25日、サンバイオの森敬太社長は宣言した。1月末、開発する細胞薬の慢性期脳梗塞対象の臨床試験(治験)で評価基準を達成できなかったと発表。それを機に株価は一時2割以下にまで急落し、株式市場では「サンバイオショック」といわれた。

治験結果の詳細分析は進行中だが、対象患者を絞り込むなどして、治験を継続する。同薬は他人の骨髄液から精製・培養した細胞薬を、脳内に直接注射し脳神経の育成を促す。これまでに、2年以上腕を動かせなかった患者が動かせるようになったといった成果もある。

決算説明会で開発の現状を語る森敬太社長

かつて「脳神経は再生しない」といわれ、効果的な薬はなかった。開発に成功すれば、画期的な薬となるのは間違いない。この薬の外傷性脳損傷対象の日米治験2相は成功し、国内で条件付き承認の準備を進めている。4月には先駆け審査対象に選定された。他の脳機能を再生する治療への適応も目指す。

対照的に、今年に入って株価を大きく上げたのがアンジェスだ。きっかけは、開発中の日本初の遺伝子治療薬が承認審査をクリアしたことだった。