トヨタ自動車は4月3日、電動車関連の特許を無償提供すると発表。寺師茂樹副社長は「電動車の普及には他社との協調が欠かせない」と力説した

自動車メーカーからモビリティカンパニーへの変革を掲げるトヨタ自動車が新たな一手を打ち出した。自社の強みであるハイブリッド車(HV)などの特許2万3740件の無償提供に踏み切るのだ。

具体的には、電動車両に使われるモーターやシステム全体を制御するパワーコントロールユニット(PCU)など、電池そのものを除く電動車関連技術のすべての特許を無償開放する。加えて、モーター、電池、PCUといったシステムも外販。製品化するうえでの技術サポートも有償で行う。

HVの代名詞でもあるプリウスは1997年に初代が登場。2015年発売の4代目はガソリン1リットル当たり37.2キロメートルと、圧倒的な燃費性能を誇る。トヨタのHVを含む電動車の累計販売台数は昨年12月に1300万台を突破。昨年世界で販売したHVは160万台と、トヨタ全体の15%を占めるまでになった。

高い燃費性能を誇るHVに再評価の機運(撮影:尾形文繁)

皮肉にも、このトヨタ独走がライバルによるHV回避の動きを招いた。トヨタがHVの関連特許を固めたため、本格的なHVを展開するのはほぼホンダのみ。トヨタはこれまで日産自動車やマツダ、SUBARUなどにHVのシステムや技術を提供してきたが、世界的にHVは広がっていない。

むしろHVを飛ばして電気自動車(EV)を本命にする動きが加速していた。「仲間を増やしてみんなでやるという発想がこれまで弱かった」(寺師茂樹副社長)という反省が、今回の方針転換につながった。