これまで歩数計測やジョギングの記録などフィットネス用途で使われることが多かった、スマートウォッチなどのウェアラブル端末。それが今、健康増進から一歩踏み込んだ医療の領域で、活用の機会を広げつつある。

2018年9月、米国の厚生労働省に当たる米食品医薬品局(FDA)は、19年度から予算を組んでデジタルヘルスの普及を後押しすると発表した。発表の中で、デジタルヘルスに注力するハイテク企業の代表例として取り上げられたのが米アップルだ。 

「これはFDAの認定を受けた初のBtoC向け心電図アプリだ」。FDAが声明を出したのと同日に開催されたアップル新製品発表イベントで、同社幹部は自慢げに語った。FDAによる認定を受けたのは、新型アップルウォッチに対応した心電図アプリ「ECG」だ(現在利用できるのは米国のみ)。病院で心電図を記録するには、電極のついた器具を胸に密着させるのが一般的だが、このアプリの場合はアップルウォッチを装着してアプリを立ち上げれば、簡単に使うことができる。

その仕組みはこうだ。アップルウォッチの側面にあるつまみに30秒間指を押し当て続けると、アプリは脈拍の微弱な電流を読み込む。その結果、現在の体の状態がアップルウォッチのディスプレーに表示される。アップルウォッチはスマートフォンとも連係することができる。測定したデータを医師と共有し、疾病の治療に活用することも可能になっている。