なんば・ともこ●マッキンゼー日本支社パートナーを経て1999年DeNA設立。2017年から現職。15年から横浜DeNAベイスターズ取締役オーナーも兼任する。(撮影:尾形文繁)

2014年にヘルスケア領域へ参入したディー・エヌ・エー(DeNA)。消費者向け遺伝子検査「MYCODE(マイコード)」から健康管理のスマートフォンアプリ「歩いておトク」、さらにはAI(人工知能)創薬や少量の血液によるがん検査システムまで、幅広く事業を手がける。

創業20年を迎えた同社創業者の南場智子会長に、ヘルスケアにかける思いを聞いた。

──なぜ、ヘルスケア領域への参入を決めたのでしょうか。

インターネットとAIの力を掛け合わせることで、人々の健康寿命を延ばすことに貢献できると考えたからだ。日本の医療は病気になってからケアする「シックケア」が主流で、本当の意味でヘルスをケアする習慣が根付いていない。自分も身内が病に倒れたが、健康は失って初めて気づくことが多い。本来、健康はとても尊いものだ。病気になる前にケアできる環境をつくりたい。そうした思いでまずマイコードを始めた。

マイコードは、会員が検査キット(注:価格は9800〜3万3800円)を購入し自宅で唾液を採取して返送することで、病気のかかりやすさや体質など最大280項目に関する情報と、病気の予防につながるアドバイスを受けることができる。その結果、約10万人いる会員の半数近くで、運動や睡眠など生活習慣を見直す行動変容につながった。

2014年から始めた遺伝子検査サービス「マイコード」には約10万人の会員がいる

──遺伝子検査を最初の事業に選んだ理由は?