トランプ大統領(左)の政策にはポール上院議員(右)らリバタリアンの影響が見て取れる(AP/アフロ)

トランプ大統領に「取引」はあっても「思想」はないとバッサリ切り捨ててしまうのは、米国に思想や哲学がないとあっさり片付けてしまうのと同じで、浅はかだ。大統領本人は自覚していなくとも、滔々(とうとう)とした思潮に流されて、日々刻々の決断を行っている。

米国における深層の思想潮流として指摘されるのが、リバタリアニズム(自由至上主義)だ。トランプはそれと共鳴することもある。しかし、ほかの潮流も彼を突き動かす衝動となって現れ、そこにせめぎ合いが生じるから、単純ではない。

昨年12月、トランプは突然、シリアに展開する米軍の全面撤収とアフガニスタン駐留米軍の半減を発表した。マティス国防長官ら側近の反対を押し切っての決定だったから、マティスは国防長官の辞任に至った。