4月1日、菅義偉官房長官が「平成」に代わる新元号「令和」を発表した(代表撮影/ロイター/アフロ)

新元号「令和」の登場である。2016年8月の今上天皇の退位メッセージの発表以後、少しずつ準備されてきた天皇退位による改元。近代始まって以来の出来事を日本は体験しつつある。

新しい元号は発表されたが、時代はまだ平成であり、今上天皇も健在である。明治、大正、昭和の終焉は天皇崩御という事態を軸に急転、時代は変わった。だが、今回は少しずつの変化である。

すでに退位のメッセージの中に、「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにもさまざまな影響が及ぶことが懸念されます」と指摘されていた。切れ目のない代替わりが重要であることは、生前退位という選択をする一理由であった。突然の大変動は避け、少しずつの変化が望ましいというのである。

かくして、昭和の終焉のときのような、国をあげての「自粛」はない。だが、どことなく変わっていくという気分がつくられていく。それを体感するのが平成31年最後の1カ月となるであろう。

この1カ月には、さまざまな平成回顧がメディアのテーマとなるはずである。他方で5月の改元から、メディアの論調が一斉に「新時代の到来」に変わることもまたほぼ明らかである。