もりかわ・こうへい●1957年生まれ。82年東京大学工学部卒業、昭和電工入社。2016年常務執行役員兼最高技術責任者を経て17年1月から現職。(撮影:尾形文繁)

需給の逼迫は当面続くが他事業の底上げを急ぐ

当社が手がける黒鉛電極は、(鉄スクラップを溶かして鋼を造る)電炉の電極棒が主な用途だ。その市況が大幅に改善し、2018年12月期の連結営業利益は1800億円(17年は777億円)と、過去最高益を大幅に更新した。黒鉛電極を柱とする無機セグメントが7割以上を稼いだ。中期経営計画目標の倍以上に相当する営業利益で、おかげで財務体質もかなりよくなった。

──黒鉛電極事業は13〜16年に赤字でした。その後に市況が急改善、昨年は17年比4倍にまで高騰し、今も過去最高値が続きます。

市況がここまで改善したのは中国の影響が大きい。中国政府が地条鋼と呼ばれる粗悪な鉄鋼の生産を17年に禁止したため、現地で電炉生産が大幅に増え、高品質な黒鉛電極の需給が逼迫した。

──17年に世界2位の独SGL EG社を買収し、世界首位になりました。振り返ると、市況が爆騰し始める絶妙のタイミングでした。