2015年、ファーウェイの英国拠点を訪れた習近平・国家主席(左)を案内する任正非・最高経営責任者(Bloomberg)

ファーウェイについては、サイバースパイ疑惑を指摘する向きが多い。だが実はこの疑惑について、明確な証拠が示されたことはない。「やっていない」ことをファーウェイは証明できないが、「確かにやっている」という材料も存在していない。

それより米政府が明確な根拠をもって問題視しているのは、ファーウェイの成長力や競争力に関わるもっと本質的な部分だ。米政府の公開資料や高官の発言を丹念に追うと、「ファーウェイは中国共産党政府から特別な恩恵を与えられており、政府の意向をくんで活動する」という論理が繰り返し展開されていることがわかる。

例えば今年1月、米司法省がファーウェイと孟晩舟副会長、関連企業を起訴した際、司法省の会見に出席したFBI(米連邦捜査局)のクリストファー・レイ長官はこう指摘している。

「われわれ米国人は、価値観を共有できない外国政府に恩義のある企業が、米国の通信市場に潜り込むことを警戒しなければならない」

価値観を共有できない外国政府が中国を指し、それに恩義のある企業がファーウェイという文脈であることは言うまでもない。