この記事は、東洋経済メーリングブック『ファーウェイの真実 Inside The Black Box』のリポートを基にしています。オリジナルのリポートのボリュームは本誌30ページ相当。それが3日ごとにメールで1章ずつ配信されます。詳細・購読登録は上記バナーからご確認いただけます。

「米政府は負け犬の振る舞いをしている。競争では勝てないからといって、われわれを不当に打ちのめそうとしているのだ」。通信設備の世界大手、中国ファーウェイ(華為技術)の郭平・輪番会長は3月29日、中国・深圳で開いた決算発表会見で挑発的に言ってのけた。

米政府は昨夏からファーウェイに対する制裁方針を鮮明にしている。他国でもファーウェイ製品の採用を見合わせる動きが官民に広がった。そうした逆風下にもかかわらず、ファーウェイの2018年の業績は売上高が前年比19%増の7212億元(11.6兆円)、純利益は同25%増の593億元(9577億円)と増収増益を守った。2月には折り畳み型スマートフォンを発表し、開発力の高さも誇示した。

だが、会見の席で米国を挑発してみせたファーウェイ経営陣には、未曾有の経営危機を迎えつつあるという自覚があるはずだ。18年は増収増益だった一方で、稼いだお金の実額を示す営業キャッシュフローが2割強減っている。過去5年間になかった大きな減少幅で、在庫が急増していることが要因。懸念される事態に備えて、部材の確保に走ったのだろう。懸念される事態とは、米政府がファーウェイ制裁に踏み切ることだ。

「売れない」よりも「買えない」が怖い

「国家安全保障上の米国の利益を保護するため、省庁間で力を合わせ、ファーウェイに対し確実に制裁措置を実行していく」。1月、米司法省はファーウェイと関連会社、創業者・任正非氏の実娘である孟晩舟副会長を対イラン不正取引などで起訴。この会見に出た商務省のウィルバー・ロス長官はこう宣戦布告した。