その会社は、神戸・三宮駅からポートライナーで7つ目の駅、「京(けい)コンピュータ前」付近にある。神戸空港駅の1つ手前である。

有名なスーパーコンピューター「京」を有する理化学研究所・計算科学研究センターなどがある日本有数の科学最先端基地だ。その一角、駅から5分の場所に目指す「シクロケム社」があるはずだが、なかなか見つからない。神戸大学の研究施設の近くに、不釣り合いなかまぼこ型のテニスセンターがあるばかり。駅前の案内板ではここらあたりなのだが、とさらに見回してみると、隣の近代的な建物の壁面に確かに「Cyclo Chem(シクロケム)」と記されていた。

そんな不思議な構造の理由を寺尾啓二社長に尋ねてみた。「この一角にテニスセンターは場違いですが、これも当社のアンチエイジングの取り組みなのです。テニスは有酸素運動と無酸素運動が適度に組み合わされ、また相手の手の内を先の先まで読むことで脳の活性化にもつながります」。

精鋭たちを率いる寺尾啓二社長。自ら開発したヒトケミカルを飲んで全日本ベテランテニス選手権に出場

【会社概要とトップの横顔】 

シクロケム > 

ドイツの化学メーカーと提携してファインケミカル製品を輸入販売。研究開発も加えて、年商は16年間で20倍に。健康長寿分野でも存在感を示す。

寺尾啓二社長> 

自社製品を飲んで若返りを体感し、全日本ベテランテニス選手権出場の経験を持つ。昨年もモンゴル大学で講演するなど、世界を股にかけて活躍中。

とはいっても本業は社名の由来の「シクロデキストリン」(以下CD)の輸入販売だ。この聞き慣れない物質について、寺尾社長が丁寧に説明してくれた。説明が丁寧なのも道理。実は寺尾社長は社長業の傍ら長年にわたり大学で教鞭を執っている。現在、神戸大学大学院や神戸女子大学の客員教授でもあるのだ。