安倍晋三首相の4選の可能性について、自民党の加藤勝信総務会長が2月27日、〈東京都内での講演で「国民から『さらに』という声が出てくれば、そうした状況というのは生まれてくるかもしれない」と述べた〉(2月28日「朝日新聞」朝刊)。さらに自民党の二階俊博幹事長が3月12日に〈「党内外、特に海外からの支援もある。その状況においては、十分あり得る。余人をもって代え難いときには何の問題もない」と述べた〉(3月12日「朝日新聞デジタル」)。安倍4選の可能性については、国会でも問題になった。〈安倍晋三首相は(3月)14日の参院予算委員会で、自身の自民党総裁4選の可能性をめぐる発言が党内から出ていることについて、「自民党の規約によって4選は禁じられている。党総裁としてこのルールに従うのは当然のことだ」と答えた。/日本維新の会の片山虎之助氏の質問に答えた。/首相は「3選を果たしたばかりで、私にとって最後の任期を全力で結果を出していくことに集中していきたい」とも述べた〉(3月14日「朝日新聞デジタル」)。

政治家の言語には独自の解釈法がある。安倍氏はここで「私は4選に出馬しない」とか、「私が次の総裁選に出馬する可能性はゼロだ」とは言っていない。党規約を改正すれば4選は可能である。そうなれば、4選してから全力で結果を出していくことに集中していくことになる。

安倍首相を含む現政権幹部が、北方領土交渉に関して腰を据えて2〜3年、時間をかけて取り組むという方針をとるようになったことも、安倍4選に向けた要因になっていると筆者は見ている。

さて、筆者は2002年5月14日に北方領土絡みの鈴木宗男事件に連座して、東京地方検察庁特別捜査部によって逮捕された。この瞬間から筆者は、外交のプレーヤーではなくなった。ただし、ロシアの友人たちとの関係は続いている。3月初旬にクレムリン(ロシア大統領府)の友人から、こんな情報が寄せられた。要点を箇条書きにしておく。

1.2018年11月14日のシンガポールでの日ロ首脳会談後、日本は積極的な政治的、心理的な攻勢をロシアにかけている。この状況は、今年1月22日のモスクワでの日ロ首脳会談後も変化していない。その結果、ロシアと日本との平和条約締結プロセスは、これまでよりもはるかに複雑な性格を帯びた新しい段階に入った。