膨大な震災復興工事に吸い寄せられ、被災地には全国から建設会社が殺到した。とりわけ東京電力の原子力発電所で事故があった福島県とその周辺地域での除染業務は、「儲かる仕事」として瞬く間に建設業界に広まった。

「除染業務は平米当たりいくら、で請負金がはじき出される。最初は作業に手間取ったが、だんだん効率が上がって、利益も増えていった」。ある除染業務を手がけたゼネコンの幹部は、こう振り返る。通常の建設工事は粗利率が1割前後だが、除染業務は2割を優に超えることもあった。

ゼネコンに除染の知見はない。にもかかわらず受注できたのは、除染の中心となる草むしりや土の掘り起こしといった作業を人海戦術に頼っていたからだ。下請け業者のネットワークを抱え、大量の労働力をかき集められるゼネコンに白羽の矢が立った。それでも下請け業者だけでは手が回らず、除染目当てで設立された新興の業者にまで多数の仕事が渡っていった。