(Scanrail / PIXTA)

ネガティブなニュースは圧倒的に人々の耳に入りやすい。一方で、物事がよくなってもそのことを知る機会は少ない。結果、世界について人々は実際よりも悪いイメージを抱くようになる。

『ファクトフルネス』はこれをネガティブ本能と名付けている。

だが、「悪い」は現在の状態であり、「よくなっている」は変化の方向性のことだ。2つは両立しうるし、それらを見分けられるようになるのが重要だと同書は説く。

日本人も選別眼を磨く必要があるようだ。安倍晋三政権のアベノミクスに対して野党は全面否定する傾向が強く、その代表例は雇用だ。図表1を見ればそれもうなずける。雇用数は増えていても、多くは不安定で低賃金の非正規雇用。雇用の質はよくなっていない。

だが、非正規雇用が増えているという情報に接したとき、多くの日本人が思い起こすのは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて若者の非正規雇用が急増した「就職氷河期」だろう。今の状況はまだあの頃を引きずっているのだろうか。