著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』で一世を風靡した知日派社会学者のエズラ・ヴォーゲル氏が、この30年の日本と世界を総括する。

Ezra Feivel Vogel●1930年生まれ。67年から2000年まで米ハーバード大学教授。専門は東アジア研究。79年刊の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』がベストセラーに。

『ジャパン・アズ・ナンバーワン』日本語版の序文で私は次のように書いた。「日本人も傲慢の虜になる危険性はある」。

この本は実際、日本が米国を追い抜くとも世界一になるとも書いてはいない。米国の世論に根強くあった日本の実力を軽視する見方に対し、日本社会の強さを米国人向けにわかりやすく紹介するのが執筆の狙いだった。

私は社会学者としての立場から、日本人の文化や教育、企業制度や官僚制度などを概観して、社会構造としてよくできていると主張した。今でもその骨子は間違ってはいなかったと思っている。