企業ファースト化する日本 虚妄の「働き方改革」を問う(竹信 三恵子 著/岩波書店/1700円+税/223ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

【著者プロフィル】たけのぶ・えみこ/ジャーナリスト、和光大学教授。1976年朝日新聞社入社、経済部記者、編集委員兼論説委員などを経て2011年から現職。09年「貧困ジャーナリズム大賞」受賞。著書に『家事労働ハラスメント』(岩波新書)、『ルポ 賃金差別』(ちくま新書)など。

よくわからない事象でも、響きの良い名前が付くと、人は考えるのをやめ、特定のイメージを信じこむことがある。説明が要らないような錯覚に陥ることもある。

労働や経済に関わる政策は理解するのが難しいだけに、なおさらだ。4月に関連法が施行される「働き方改革」はその一例ではないだろうか。

政府は「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」を訴える。「働く人が自由に働ける」も、うたい文句になっており、これだけ聞けば諸手を挙げて喜ぶ社会人も多いだろう。

ジャーナリストとして労働現場の実態を調べ、声なき声を集めてきた著者は誰のための改革なのかと訴える。法案の成立した経緯を丹念に調べ、「働き方改革」のトリックを浮き彫りにする。