スペインの北朝鮮大使館襲撃にCIAの関与が疑われる理由 実行犯のうち少なくとも2人がCIAとつながり

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スペインの北朝鮮大使館。2回目の米朝首脳会談前に、ここが襲撃された(ロイター/アフロ)

スペインのマドリードにある北朝鮮大使館に2月22日、10人の集団が押し入った。一部報道によると、8人の北朝鮮人職員が縛り上げられ、拷問された。暴行は激しく、治療が必要となった者も2人いる。大使館は4時間にわたって占拠され、コンピューターや書類が盗み出された。

警察が大使館に駆けつけると、金日成(キムイルソン)・金正日(キムジョンイル)バッジを身に着けたアジア系の男が現れ、何も問題はないと告げたという。そして数分後に大使館の門が開き、外交官ナンバーの高級車2台が猛スピードで飛び出していった。車はその後、近所で乗り捨てられていた。

今回の事件については、いくつかの事実を頭に入れておく必要がある。まず、ハノイでの米朝首脳会談が間近に迫ったタイミングだったこと。次に、2017年後半までスペイン大使だった金革哲(キムヒョクチョル)氏が、今年から米朝非核化交渉で実務責任者を務めていることだ。

ここにきてスペインのメディアが報じたリーク情報によると、実行犯のうち少なくとも2人が米中央情報局(CIA)とつながっていたとされる。一方、米紙ワシントン・ポストは3月15日、匿名消息筋の話として、北朝鮮の体制転覆を狙う「千里馬(チョンリマ)民防衛」(現「自由朝鮮」)が襲撃を仕掛けたと伝えている。北朝鮮工作員によって17年に暗殺された金正男(キムジョンナム)氏(金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄)の息子金漢率(キムハンソル)氏を秘密裏に救出したと主張している組織だ。

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