(撮影:梅谷秀司)

「豪腕の中の豪腕。日本では右に出る人物はいないだろう」。ドン・キホーテ(現パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、以下PPIH)の創業者である安田隆夫氏(69)について、同氏と三十年来の交流を持つ男性はそう語る。

安田氏は不動産ビジネスの記事で記述したように、心に決めた案件では重戦車のように突き進む反面、状況が悪いときには「待ち」を決め込む冷静さを持つ。知人男性によると「麻雀の腕はプロも顔負けだが、強気一辺倒ではなく臨機応変に打つ」。

1949年に岐阜県大垣市で生まれた安田氏は、慶応大学卒業後に不動産会社に就職するも、入社10カ月後に同社が倒産。その後、定職に就かず、ギャンブルで食いつなぐ生活を送った。その間に稼いだ800万円を元手に78年、東京都杉並区に雑貨のディスカウントストア「泥棒市場」を開店。その後、卸会社「ジャスト」設立を経て、89年に東京都府中市にドンキ1号店を開業した。すぐには繁盛せず大赤字だったが、売り場担当者に仕入れから値付けまで任せる権限委譲で活気づき、しだいに収益を伸ばしていった。

(撮影:梅谷秀司)

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