文在寅政権の政策に反発する労働組合。彼らは文政権の支持基盤だが、不満を募らせる(AP/ アフロ)

2月下旬の米朝首脳会談が合意なしで終わったことで、最も落胆したのは韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領だろう。北朝鮮の非核化への道筋と経済制裁の緩和に一定のメドをつけ、南北経済交流に弾みをつける腹積もりだった。それがご破算となった今、文大統領には、北朝鮮問題よりさらに重い課題がのしかかる。経済である。

2020年4月の統一地方選挙を控え、経済政策は文政権にとって最重要テーマだ。文政権への中間評価となる重要な選挙だが、結果次第では2年ほどの任期を残したまま、急速にレームダック化する可能性が高まってきた。

だが、南北関係の改善と比べると経済運営の手腕は見劣りする。18年のGDP(国内総生産)成長率は2.7%(速報値、韓国銀行発表)と、12年以来の最低を記録。3%とされる潜在成長率を下回った。

潜在成長率以下

19年はさらに悪化しそうだ。韓国銀行によれば、今年の成長予測は2.6%。ほかの研究機関も2.3〜2.6%のレンジで予測している。その根拠は明確だ。18年後半から顕在化してきた輸出の減速が今年も続き、つれてIT関連など主要業種の成長や家計所得の伸びが鈍化すると見込まれているためだ。

主要財閥の業績も悪化した。韓国を代表するサムスン電子の18年(1〜12月)決算は、通期でこそ増収増益を確保したものの、同年第4四半期(10〜12月)では、売上高が前年同期比10.2%減、営業利益が同28.7%減となった。サムスン電子は「メモリー需要の減少とスマートフォン市場の低迷」とし、この傾向は19年上半期までは続くと説明している。