昨年4月にトップに就任した坂井辰史社長。今年5月に発表を予定する中期経営計画の中身に注目が集まる(ロイター/ アフロ)

6800億円──。決算期末まで1カ月を切った3月6日、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)が巨額損失の計上による業績の下方修正を発表した。純利益は従来予想の5700億円から約9割減の800億円になる見通しだ。

巨額損失のうち1800億円は、運用していた外国債券の損切りが中心。残る5000億円は店舗やソフトウェアなど固定資産の減損だが、そのほとんどが新システムの減損である。

みずほは、2018年6月から週末にATMを含むオンラインサービスの利用を臨時休止し、新システムへの移行を推進。19年7月にすべての移行が完了する。つまり、まだ本格稼働していないシステムを一括で減損するのだから異例だ。経営統合でシステム統合を進める地方銀行の幹部は、「あんなこと(一括の減損処理)ができるのかと驚いた。ウチでも可能かどうか、財務部門と検討を始めた」と明かす。

みずほ側の説明は、「管理会計の高度化に対応し、国内リテール事業部門に帰属する固定資産について減損損失を計上する」というもの。要は、各部門が利用する頻度などに応じて新システムの資産を配分した結果、大半がリテール部門にひもづけられることになった。そして、将来的にリテール部門が得られる収益に見合わないため、減損処理をしたわけだ。

リテール部門は、個人や中小企業向けのビジネスを行う。大量の店舗や行員を抱えており、どうしてもコストがかさむ。現在は店舗改革やフィンテックの活用による効率化が求められており、その低収益性はみずほだけでなく、他メガバンクや地銀にも共通する。地銀関係者をびっくりさせた今回の減損処理は、見方を変えれば、みずほの「リテール不振」という課題が改めて浮き彫りになったといえる。