たかい・ひろゆき●神戸大学経営学部卒業、住友商事入社。非鉄金属本部で17年間、うち7年間は英国ロンドンで貴金属や、銅・アルミなどベースメタルの取引を担当。その後、金融事業本部長やエネルギー本部長を経て、住友商事グローバルリサーチ社長。2018年4月から現職。(撮影:梅谷秀司)

昨年、本欄で筆者は年央と年末に原油相場を取り上げた。年央には想定外の急騰、年末には想定外の急落について、その背景と先行きに関し私見を述べた。今回も原油相場の大局的な見方をワシントンの専門家の視点も交えてお話ししたい。

油価を決める要因は需給・地政学・金融の3つに大別できる。

需要増加分の3分の2を占めるのはアジア地域である。中でもとくに中国の割合が大きく、その景気悪化が需要面の最大のリスクである。すでに軟調な経済が、対米貿易交渉次第ではさらに悪化する懸念がある。また米国や日欧などの先進国についても金融政策と財政政策の両面で、景気が下振れした場合に打つ手が限られるという問題を抱える。需要面ではその2つがリスクである。

供給面には地政学が絡むが、当地の専門家がワイルドカードと呼ぶのがベネズエラとイランである。