「吉利汽車がアルファロメオ、マセラティの買収を模索」「長城汽車がジャガー・ランドローバーの買収に向けてタタグループと交渉を開始」──。今年に入って中国の自動車メーカーが欧州の自動車メーカーを買収するという報道が中国の現地メディアで相次いだ。実現の程は別として、自動車産業の中で中国勢の存在感が高まっていることは確かだ。

もともと中国政府は上海汽車や東風汽車など大手国有企業と外資系企業との合弁事業で自動車産業を発展させてきた。結果、中国市場の上位は合弁の外資ブランドが占める。一方、現地ブランドの育成は後手に回っていた。

2008年のリーマンショック以降、中国政府は「自動車強国」の目標を掲げ、次世代自動車産業の先取りや中国ブランド重視を打ち出した。国有企業は合弁先企業が所有するプラットホーム(車台)を利用した自国ブランド車の強化に動き、独立系の吉利や長城も政府から十分な支援を受けられない中でも生産能力を強化してきた。そのかいもあり、乗用車市場で中国ブランドのシェアは08年の28%から17年には44%にまで上昇した。