【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

2012年初めから18年末にかけて、日経平均株価は年率13%で上昇した。これは米国ダウ平均株価の9%強を上回る。それもあってか、自社の変革に自負を持つ経営者は少なくないが、日本企業は本当に変わったのであろうか。

興味深いことに、私が大学を卒業した1982年から直近に至るまでダウ平均は年率10%で右肩上がりを描いている。多少の上下動はあったが、ふたを開けてみればブラックマンデーも、ドットコムバブルの崩壊も、リーマンショックも、物ともしていない。

82年といえば、日米貿易摩擦の中で「米国は終わった」といわれた時代である。経営者がウォールストリートに迎合しすぎているという指摘から始まって、米国流の経営に対してせきを切ったように日米で批判が相次いだ。その渦中で米国の反攻が始まっていた事実を、われわれは深く再認識すべきであろう。