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狙うのは「はやぶさ2」巨大アンテナの難技術 JAXAが建設を進める後継地上局

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建設中の美笹アンテナ。遠方に見えるのが稼働中の臼田の64mアンテナ(撮影は2018年10月23日)(©JAXA/GREAT)

2月22日午前7時半、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウ表面へのタッチダウンに成功。津田雄一プロジェクトマネージャが成功を報告する記者会見の最中、タッチダウン直後に撮影したリュウグウの表面の写真が届き報道陣に披露された。その「はやぶさ2」との通信を担っているのは、長野県佐久市山中にある臼田宇宙空間観測所の直径64メートルのパラボラアンテナだ(NASAの深宇宙通信網も利用)。

この直径64メートルアンテナから1.3キロメートル北西、蓼科スカイラインの道路際で後継の深宇宙探査用地上局(GREAT、通称・美笹アンテナ)が建設中だ。このアンテナのプロジェクトマネージャ、沼田健二さんにその建造経緯と技術を聞いた。

右がプロジェクトマネージャの沼田健二さん、左がサブマネージャの内村孝志さん(写真:山根事務所)

山根:「はやぶさ2」、見事にタッチダウンを成功させましたね。相模原のプレスセンターは午前5時半オープン。早朝でした。

沼田:「はやぶさ2」がタッチダウンした時の小惑星リュウグウの位置は地球から3億4000万キロ。地球と太陽の距離(1億5000万キロ)の2倍以上彼方です。通信のためにはパラボラアンテナをその小惑星にぴたりと合わせなくてはいけないが、地球は自転していますから、夕方から夜になればアンテナは「はやぶさ2」を捉えられません。「はやぶさ2」とリュウグウの位置はほぼ地球と太陽を結ぶ線上です。そのためアンテナを標的に向けていられる時間を長くするために日の出直後にタッチダウンを開始したので、皆さん、眠い目をこすりながら、となったんです。

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