南北統一は民族の悲願と叫ぶが、現実には国家崩壊の危険性もはらむ(AP/アフロ)

韓国と北朝鮮の指導者層はどちらも「祖国統一」を訴えてやまない。そのため海外の評論家にはこの建前を額面どおりに受け取っている者が多いが、あまり真に受けないほうがよい。統一を本気で実現させようと考えている政治家など、まずいないからだ。

理由は、南北の経済格差があまりにも巨大なことにある。1人当たりGDP(国内総生産)は、南北でざっと25倍の開きがある。北朝鮮政府が徹底した情報統制を敷いているのはこのためだ。韓国の同胞が豊かな生活を謳歌していることが国民に知れ渡れば、不満が爆発し体制が崩壊しかねない。

韓国では最近、一国二制度の緩やかな連邦制を皮切りに、対話によって徐々に統合を進める、といった案が語られることが多い。だが、南北の指導者層にはこのような計画に取り合うつもりは毛頭ない。自殺行為になるからだ。