本誌・昨年4月28日・5月5日合併号の「中国動態」欄は、「鄧小平への挑戦」という興味深い記事。旧知の富坂聰氏が執筆していた。

氏はいつも、中国の現況を懇切に教えてくれる。くだんの記事は「鄧小平を超え」ようとする習近平の政治姿勢の解説であった。とてつもないもくろみで、わずか数年でできるものではない。それなら昨年3月に習近平が国家主席の任期制限を撤廃した理由にも、納得がいった次第である。

鄧小平は社会主義を捨てたか

ただ歴史屋の愚見が、多少ないわけでもない。例によって明快な氏の文章で、ややわかりにくいと感じたのは、「社会主義」にまつわるくだりである。いずれも現地の方々に対する取材の引用なので、曖昧なのは氏というより、中国人の発言・思考のほうなのかもしれない。ともあれいわゆる「社会主義」の概念は、日本人一般には縁遠くなっただけに、いよいよ理解しづらいものではあろう。