国家の介入を排除し、個人の自由を尊重するリバタリアン(自由至上主義者)としても有名だが…(撮影:梅谷秀司)

シリコンバレーの「ドン(首領)」とも呼ばれる、起業家にして投資家のピーター・ティール(51)。IT業界のリーダーの中で、ただ一人ともいえるトランプ大統領支持者だ。そのティールの「思想」をめぐって、新興論壇誌『アメリカン・アフェアーズ』オンライン版に興味深い分析が掲載された。

同誌はトランプ登場を機に米国思想界再編を狙って2017年春に発足した。既成の米国論壇の左右にとらわれていないだけに、分析はティールの本質にずばり斬り込んでいる。

人の思想に分け入る手がかりは、何をおいても著作だ。だがティールの場合、著作はビジネス書『ゼロ・トゥ・ワン』(14年、邦訳NHK出版)と、24年前に書いた母校の米スタンフォード大学における多文化主義の状況を批判した本(未訳)だけだ。