毎年2月に行われるミュンヘン安全保障会議は、ビジネス界ならさしずめ世界経済フォーラム(ダボス会議)に相当する。この会議は冷戦期に米独の軍事的結束を世界に示す目的で立ち上げられたものだが、今では気候変動を含む外交上のさまざまな問題を話し合う場になっている。

今年の会議は出席者の数もさることながら、その内容が今後、語り草となるだろう。米国のペンス副大統領とドイツのメルケル首相が行った演説は何から何まで真っ二つに割れた。米独の同盟関係をうたい上げる場で双方がここまで対立するとは、よほどのことだ。

ペンス氏の演説は強硬な米国第一主義に彩られたもので、国際ルールを頑として受け入れないトランプ政権のやり方を自画自賛した。欧州は米国に従うしかない、とペンス氏はぶち上げ、欧州も米国に倣ってイラン核合意を破棄すべきだと迫った。拍手を狙った決めぜりふはことごとく滑り、昨年の会議同様、質疑応答も拒絶した。