きうち・たかひで●1987年から野村総合研究所所属。日本経済の分析、ドイツ、米国で欧米の経済分析を担当。2004年野村証券に転籍、07年経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年7月から17年7月まで日本銀行政策委員会審議委員、この間独自の視点で提案を行う。17年7月から現職。(撮影:尾形文繁)

米国の金融市場が抱える大きなリスクとして、投機的格付けのハイイールド債(ジャンク債)と並んで、近年はレバレッジド・ローンが注目を集めてきた。その価格は昨年12月には平均で3%以上も下落した。これは、米国債の格付けが最高位のトリプルAから引き下げられた2011年8月以来の下げ幅だ。

レバレッジド・ローンとは、投機的格付けとされるBB以下の企業向けに行われる融資のことで、信用リスクが高く、その分金利が高めだ。格付けから見るとハイイールド債と同様だが、担保があることや債務返済順位が高いことなどから、ハイイールド債よりもリスクが低いとされる。世界的な低金利環境の下、より高い利回りを追求するサーチ・フォー・イールドの流れの中で、投資家が過度のリスクを取ってきた代表的な市場の1つであろう。