伊藤忠との戦いに挑むデサントの狙いは何か。渦中の石本雅敏社長に聞いた。

デサント社長 石本雅敏/いしもと・まさとし●1962年生まれ。デサント創業者の孫。電通などを経て2013年から現職(撮影:大澤 誠)

──伊藤忠との対立の原点は、同社による取引拡大の強要だと主張しています。

2012年当時、伊藤忠から派遣されていた社長から、伊藤忠との取引を増やすため他商社からの切り替えなどを進めるよう言われた。

反対し、「このままではデサントの競争力が失われる。任期が満了する次の株主総会の時点でデサントの社長を代わっていただきたい」と伝えたのが13年1月末。その後も話し合いは平行線をたどり、取締役会での私の社長昇格の決議を経て、伊藤忠との合意に至ったのが同年4月だ。

私は社長就任後、まず一連の事実を記録に残すことにした。社内委員会を設置し、証拠物件を集めた。結果、委員会がまとめた報告は「限りなく黒に近い灰色」。優越的地位の濫用に当たるのではないかといったことも含めて、非常に問題のある一連の言動があったと、社内委員会は位置づけた。報告書は伊藤忠繊維カンパニーの岡本均プレジデント(当時)に手渡した。ただ、その後も伊藤忠側の主張は変わらなかった。