(撮影:尾形文繁)

東京証券取引所の進める市場区分見直しでは、マザーズから1部へと昇格する際の時価総額基準の低さも論点の1つだ。株主数や流通株式比率などの基準もあるとはいえ、時価総額基準が40億円以上となっていることが「質の伴わない1部企業」の増えた原因だと指摘されている。

直接1部に新規上場しようとすると250億円以上の時価総額が求められる(2012年に500億円から引き下げられた)。それに対し10億円以上で新規上場できるマザーズを経由すると、1部には40億円以上で昇格できる。

もちろん1部に「近道上場」しても、その企業が期待どおり成長しているのなら問題はない。

そこで、マザーズから1部へと昇格した172社の時価総額を調べてみた。すると時価総額が50億円以下の企業は全体の約1割に当たる23社あった。マザーズから1部に昇格する際の最低基準(40億円)を下回る企業は9社だ。1部に昇格してさらなる飛躍を遂げたのではなく、むしろ衰退や停滞の危機に直面している企業といえる。