週刊東洋経済 2019年3/2号
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これから降格企業が続出する!

東証の市場再編が告げる 「1部ブランド」安住の終わり

2000社を超す1部上場企業。迫り来る新基準にどれだけの企業が対応できるのだろうか。

日本の上場市場の“頂点”、東京証券取引所1部(東証1部)。ここに上場することを目標とする経営者は多い。1部上場は信用のブランドであり、取引先との関係構築でも有利だ。

その企業に勤める社員も恩恵を受ける。例えばカード審査や住宅ローンの借り入れなどがスムーズに進みやすい。

ところが、その「1部」に激震が走ろうとしている。東証が1部上場企業をふるいにかけようとしているのだ。

「1部に上場する企業は一流企業という認識を持たれる方も多いと思うが、現状の制度では1部と2部の違いは株式の流動性の差がいちばん重要なポイントになっている。このように、社会的な評価と制度が少し違う」

昨年10月29日、日本取引所グループの清田瞭CEO(最高経営責任者)は、同グループが傘下に持つ東証の市場区分見直しに着手すると会見の場で表明した。同日、有識者による「市場構造の在り方等に関する懇談会」を設置。「3月末をメドに何らかの答申をいただくことを期待している」(清田CEO)という意向を受けて、懇談会は議論を進めている。

1部市場が頂点ではあるものの実態は逆三角形で、全市場約3600社のうち、1部企業が6割を占める。これを新たな基準で再編成しようというのだ。

1部上場企業は2月1日時点で2126社(外国会社2社を除く)。そこに勤める社員は371万人(1部上場企業の直近決算期の単体社員数を合算)に上る。「1部上場」の看板を失うとなれば、グループ企業の従業員を含め、この何倍もの人たちに関わる問題といえる。