むらかみ・のりお●1970年京都大学卒業。日立電子、DECなどを経て、2003年にグーグル米国本社副社長兼日本法人社長就任。現在は東京工業大学学長アドバイザリーボード委員などを兼務。(撮影:今井康一)

繰り返しになるが、日本のコンピューターサイエンスのレベルが低いということはない。ディープラーニングの新しい手法の開発は、東京大学など主要な大学や国立の研究機関、プリファードネットワークス(PFN)といったAI(人工知能)関連のベンチャー企業などで進んでいる。AIで重要になる統計数学は日本にも専門家が十分にいる。

企業評価額が2000億円を超えるといわれるPFNは本当に優秀。彼らが開発した「チェイナー」というツールを使えば、ディープラーニングの応用システム開発にすぐ取りかかることができる。それだけでなく、同社の西川徹社長は、AIを処理する半導体チップに目をつけた。競争力を高めるにはAIチップが必要だとわかっている。NTTやトヨタ自動車など大企業から出資を受け、資本力もつけてきた。