国家の介入を最小限にし、個人や社会、経済の自由を追い求める「リバタリアニズム(自由至上主義)」という考えが、米国で広まっている。「自由市場、最小国家、社会的寛容」を軸に、保守でもリベラルでもない第三極としてミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭の生まれ)を中心に支持を獲得、世界を揺るがす存在へと育ちつつある。

リバタリアニズム-アメリカを揺るがす自由至上主義 (中公新書)
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──リバタリアン(自由至上主義者)の立ち位置を教えてください。

71年に米リバタリアン党を創設したデビッド・ノーランによる、「ノーラン・チャート」という概念図が参考になります。同図によると、大きな政府への志向が強いリベラル派である民主党は、「経済的自由を軽視」し「個人の自由を重視」します。一方、小さな政府を志向する保守派である共和党は、「経済的自由を重視」し「個人の自由を軽視」します。つまり、「経済的自由」と「個人の自由」とでそれぞれが正反対の立場を取っています。

他方、リバタリアンは両方の自由を重視します。例えば政府の権限を強める増税には反対ですが、個人の自由を認める立場から同性婚などには賛成です。

2大政党に反発 “右派も左派も悪い”

──リバタリアンはどのくらい大きな集団なのでしょうか。

リバタリアン党は民主、共和の2大政党に次ぐ3番目の政党です。しかし、党員は非常に少ない。4500万人の民主党、3300万人の共和党に対し、リバタリアン党は50万人しかいません。

ただし、有権者に占める割合は10%強ともいわれ、一定の数字であることは確かです。実際のリバタリアンは民主党や共和党に属しながら政治に影響を与えています。