2018年に翻訳版が日本で出版され、マーケティング担当者の間で大きな話題となった本がある。バイロン・シャープ著『ブランディングの科学』だ。

著者のシャープ氏は南オーストラリア大学の教授であり、マーケティングを統計的・数学的なアプローチで研究している同大学アレンバーグ・バス研究所のマーケティングサイエンス部門で、責任者を務めている。

近年マーケティング系のコンファレンスが盛んに行われていて、去年も筆者は広告主側のマーケティング担当者として、合宿型のものだけで3つに参加した。こうした機会を通じて、マーケティング担当者の間に広いネットワークが出来上がっているのだが、そうしたコンファレンスでも本書はしきりに話題に上っていた。

理由は2つある。1つは、この書籍が、長いこと信奉されてきたいくつものマーケティング理論に異を唱えていることだ。それは天動説に異を唱える地動説を思わせるほどの挑戦だ。