わが国の政策課題は山積しているが、働き方の改革がその中核にあることを疑う人はいない。わが国の労働慣行はグローバルに見れば極めて特異なものだ。

わが国では、法文上はともかくとして、判例や慣行が積み重なって、事実上解雇ができない。その根底には、労働者の生活を守るべきだという固定的な観念がある。

しかし、よく考えてみると、その前提には「企業は潰れるはずがないのでどのような状況でも給与は払えるはずだ」という自由な市場経済の下ではおよそありえない古色蒼然とした観念が横たわっていることに気づく。中小・零細企業では、そんな悠長なことは言っていられない。潰れるかどうかの瀬戸際に立たされれば、人員整理を行うしか方法はないのだ。