もりた・ちょうたろう●慶応義塾大学経済学部卒業。日興リサーチセンター、日興ソロモン・スミス・バーニー証券、ドイツ証券、バークレイズ証券を経て2013年8月から現職。日本国債市場での経験は通算で20年超。グローバルな経済、財政政策の分析などマクロ的アプローチに特色。(撮影:大澤 誠)

2018年秋以降にグローバルに大きく下落した株価が、年初来、米国株主導で急回復していることについては、いくつかのプラス材料が指摘されている。年初のパウエル議長の発言以降、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが停止されるとの観測が強まったこと、12月に悪化した米国の景気指標に一部改善が見られたこと、閉鎖が長引いていた米政府機関が再開されたこと。さらに、ここにきて3月1日の米中貿易協議の進展への期待も材料視されているようだ。

これだけ多くの材料が挙げられると、かえって株価の上昇を見て何か後付け的に説明を加えているだけなのではないかとも疑われる。実際のところ、急回復の主たる要因は、昨年末にかけてセンチメント先行で下落しすぎてしまったことの反動にすぎない可能性も否定できない。

その「センチメント」ということでいうならば、昨年秋以降のグローバル市場で強く懸念されたのは中国経済の動向であろう。しかし、前述のような好材料が出てくる中でも、中国経済に関しては、年明け以降も依然としてすっきりとしないものがある。