有料会員限定

TOPIXに勝てない『厳選指数』忘れられたJPX400の教訓 誤った「ROE重視」の成れの果て

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

企業価値の向上に資するとして2014年に登場したJPX日経インデックス400。ここまで存在感が希薄になってしまったのはなぜか。

JPX400に連動する投資信託は50本近くあるが認知度は低い

特集「東証1部 天国と地獄」の他の記事を読む

「ジェー、ピー、エックス?ヨンヒャク?」。JPX日経インデックス400(以下、JPX400)の動きに価格が連動する投資信託について東京駅周辺にある大手証券会社の店頭で尋ねると、営業担当者は首をかしげ戸惑っていた。

JPX400に連動する投信は50本近くある。だが、営業担当者が存在を認識すらしていないことから察するに、投資家のニーズはほとんどないのだろう。

JPX400とは、日本取引所グループが2014年に算出を開始した株式指数だ。政府が13年に発表した「日本再興戦略」で、「収益性や経営面での評価が高い銘柄のインデックスの設定」をコーポレートガバナンス強化の観点から促したことが指数設定のきっかけとなった。

グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たす、「投資家にとって投資魅力の高い会社」の400銘柄で指数は構成されている。トヨタ自動車といった日本を代表する企業だけでなく、100円ショップで知られるセリアやミクシィなどマザーズ市場やジャスダック市場に上場する銘柄も選定されている。指数は日本銀行やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が買い入れ対象に指定したこともあり、算出開始直後は投資家の注目を集めた。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
東証1部 天国と地獄
インタビュー/ストラテジックキャピタル 丸木 強、ウィズダムツリー・ジャパン イェスパー・コール
誤った「ROE重視」の成れの果て
投資家の意見がすべてではない
新1部昇格の最有力候補だが…
「時価総額40億円以上で1部昇格」は廃止へ
1部昇格の過程で決算を虚偽開示
6つの条件で新1部を選定
親子上場にはガバナンス上の批判が高まっている
「新1部」ルール予想③親子上場でスクリーニング
社外取締役が3分の1未満だと転落?あの有名企業にも黄信号
「新1部」ルール予想②社外取締役比率でスクリーニング
「新1部」ルール予想① 株式時価総額でスクリーニング
東証1部上場 2126社の天国と地獄
「上場基準厳格化」の衝撃
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内