デサント東京本社の外観(撮影:尾形文繁)

1月下旬に伊藤忠商事がデサントへのTOB(株式公開買い付け)を発表するまでに、両社は半年にわたって水面下でのバトルを続けてきた。先に仕掛けたのは伊藤忠だ。昨年6月に伊藤忠の岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)とデサントの石本雅敏社長のトップ会談が不調に終わると、伊藤忠は株式の買い増しを通じてデサントへ無言の圧力をかけ始めた。

これに対抗して昨年8月にデサントは突如としてワコールとの提携を発表。その後も伊藤忠の強硬姿勢が変わらないとみるや、株式市場からの退出という荒技を狙うも不発に終わる。一方の伊藤忠は株式の買い増しによるデサント制圧という路線をひた走り、ついにはTOBの発表にいたった。

言い分が真っ向から食い違う現状が続けば、今年6月の株主総会で決着をつけることになる。本当に両社の関係は修復不可能なのか。石本社長への直撃インタビューの後編では、これまでの経緯を踏まえて6月総会をにらんだデサントの戦略について聞いていく。(前編はこちら。全文の閲読には有料会員登録が必要です)

 

――伊藤忠は今回のTOBによりデサントへの出資比率を現在の30.44%から40%に引き上げ、経営体制を刷新したい意向です。過半数を取得してデサントを子会社化することは考えていないとしていますが、33.4%を超える出資が実現すれば株主総会で重要事項について拒否権を持つことになります。

おかしなTOBだなと思います。買い付け予定の株式数はたった10%、買い付け価格は(時価の5割増しの)2800円と、かなり高めのプレミアムを付けてのオファーです。