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医療コーディネーター カブレホス・セサル 外国人に普通の医療を! コールセンター運営で奮闘

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在留外国人は264万人。日本語が不自由な外国人が直面する医療での言葉の壁。コールセンターを立ち上げた日系ペルー人の物語。

今や日本は、実質的な「移民」受け入れ国に変貌している。しかし、「人間」を迎える態勢は整っていない。命を守る最後の砦、病院においてもだ。医療の土台はコミュニケーションである。訪日、在留外国人の急増で「医療通訳」が注目を浴びている。

東京都港区、ランゲージワン株式会社の「多言語コールセンター」で通訳者たちが神経を研ぎ澄ましていた。行政機関や銀行、弁護士会、鉄道会社、メーカーなどから通訳依頼の電話がかかってくる。

と、その中で空気がピンと張り詰める。病院からだ。がん告知や余命宣告といった切迫した内容も含まれている。

ここでは、英、中、韓、ポルトガル、スペインの5言語は24時間・365日、タイ、ロシア、タガログ、インドネシア、ネパールなど8言語は平日昼間、対応する。通訳者は約40人。日本語能力試験N1レベル(最上級)の外国人が、専門的研修を重ね医療通訳に携わる。

ランゲージワンの多言語コールセンターにて。さまざまな言語の専門家が集う(写真:尾形文繁)

日系ペルー人のカブレホス・セサル(39)は、この多言語コールセンターの生みの親だ。日本における医療通訳の開拓者であり、ランゲージワンの営業マンでもある。医療通訳を世に広める伝道師といえるだろう。

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